矯正歯科医院の売上の考え方は3つあります。
1. 契約基準
2. 回収基準
3. 進行基準
この3つの基準を理解しておくとは矯正歯科医院経営では不可欠です。
1. 契約基準(マーケティングの基準)
契約基準は、患者さんとの治療同意書を交わした時点での売上になります。ほとんどのクリニックでは診断時もしくは診断後次回来院時になっています。
契約基準は、現状のマーケティング活動が機能しているかどうかを表す基準になります。スタッフと共有しやすく、初診カウンセリング数、契約数、来院経路などを管理していきます。
2. 回収基準(経営の基準)
回収基準は、現金の入金額を基準にした売上の考え方になります。契約した方で分割払いの方が多くなると、回収基準と契約基準にはズレが発生します。
毎月のクリニックの経営は、キャシュフロー経営をベースにし、入金額、支払額、そして残った現金ということで管理していきます。
3. 進行基準(治療期間を意識した基準)
進行基準は、治療の進捗に応じて売上を認識していく考え方になります。
例えば、100万円で治療契約された方の治療期間を25ヶ月とします。その場合、毎月4万円を売上として認識していく考え方になります。この基準は、税務申告や賞与の支給計算などで使われているクリニックがあります。
ステージに応じた基準の考え方
1. 開業から1年ぐらい
経営は、資金がショートしたら終わりです。契約基準では売上は上がっているからOKではなく、回収基準を意識してなるべく入金額を多くしていく取り組みが必要です。
例えば、メディカルクレジット。金利はかなり高くなりますが、経営が安定するまでの手段として使う場合もあります。あるいは、一括払いでの治療費OFF。一括払いでの治療費をOFFにすることで一括払いを増やしていく必要があります。もちろん、運転資金に余裕があれば、必要ないですが。
2. 開業2年〜
調整料なしの場合、毎月安定して入ってくる現金がありませんので、分割払いの割合を徐々に増やしていき、毎月安定して入金があるようにしていきます。
3. 出口
継承等でリタイアを考える時期。矯正歯科医院のリタイアメントを考える時期には、進行基準を意識し、現金の入金と治療の進行を同じにする、もしくは別口座に現金をストックしながら、リタイヤメントに備える必要があります。